◆術後6か月(2014/02)

知覚・味覚は?

半年経って現在の知覚・味覚はどうかといえば…

◆知覚

  • ●触っている・ものが当たっているという感覚は、再生痛に変換されて伝わります。どこの場所に触っている・当たっているかの判定は、大雑把です。(特に舌の横と裏の区別はわかりません)
  • ●冷たい・熱いという感覚は、再生痛にも変換されますが、加えて「冷たい・熱い」という信号を伝えようとしている様です。

◆味覚

  • ●自分では回復しているかどうか全くわかりません。料理で味見をする時は、スプーン一口ぐらいでは、舌の先端半分の味覚のためか、塩気が足りないのかどうかといった微妙な判定が難しいです。(一定量を口に含めば健常な左側の味覚により解ります)

 大きな変化といえば、

  • ◆スプリントを卒業できました。
  • (ここ1か月間スプリント無しで寝ています)
  • ◆ガムを噛めることに気づきました。
  • (以前は無理だった危険な食べ物だったのに、いつのまにか)

 です。

 再生痛による知覚があるので、意識レベルが低い時にも舌を噛むことがなくなりました。また、ガムを噛むという行為は舌の知覚を利用した繊細な動きが必要ですので、「一生ガムは噛めなくてもいっか~」という程度のものではありましたが、久しぶりに噛んでみて感動♪

 

疼痛は?

◆疼痛(ヒリヒリ・灼熱感・しびれ感)

  • ●寄せては返す波の様なリズムで少しずつ変わっています。
  • ●キツイ日は「舌べーっ」は時々まだやっています

◆薬について

 疼痛とは長い付き合いになると思うので、ストレスや体調で調子が悪い時に、痛みを少し散らせる「身体に優しい」方法が無いかな…と思っていたところに、同様の患者さんから疼痛対策として漢方を試しているという話を聞き、開業でペインクリニックをしている病院を探して相談に行きました。

 漢方専門の先生ではないので、もし効果がなければ、漢方外来がある病院にも行ってみたら?というアドバイスつきで処方してもらった2種類の薬。

●リリカカプセル 25mg

●ツムラ抑肝散エキス顆粒

 「リリカ75mgを試したときは日常生活には影響が…」という話をしたら、「もっと少量のものもあるよ」という事で試しに。

 抑肝散は朝晩続けて服用中ですが、効果については…よくわかりません。(疼痛の状態にも波があるので)飲みきるまでは続けてみます。

 リリカ25mg は週末しんどいなぁ~と思った日に1回試してみました。確かに75mgほど強く無く、翌日の状態(眠気や眩暈・ふらつき感)も比較的穏やかです。(ただし、就寝一時間前に飲みましたが、1時間も持たずノックダウンされましたが…:強い眠気と酔った感じ)

 「すこしばかり休憩したい」と思った時の臨時お助け薬として使えそうに思いました。

再生痛の不思議

◆リリカと再生痛

 リリカは末梢神経障害性疼痛にも処方されるようになって日が浅い薬の様ですが、効用を読むと

 

 「リリカカプセルは、痛みに関係する物質の過剰放出を抑えることで痛みをやわらげます」

 

と書いてあります。確かに、術後1か月くらいの時にリリカを飲むと、翌日は疼痛があまり気にならない、という劇的な効果がありました。

 さて現在は?と言うと、疼痛に関しては同じ効果があります。でも、再生痛については、「全く」効果はありません。人間の体って不思議。

普段は口の中は、「再生痛」と「疼痛」が重なり合って感じるのですが、リリカを飲むと「あ!ここまでが再生痛なんだ」と境界がはっきりします。すなわち、

再生痛はリリカが抑制する物質とは関連がない

という事でしょうか。 

 

◆再生痛の変化

 ここ3か月でも再生痛は2週間単位で変化しています。痛みの強さもそうですが、感じる場所が変わっています。 

 

 1.舌先

 2.舌の中ほど&上面

 3.舌の中ほど&側面

 

の順に感じる場所が移動しています。現在は「3」で、舌先の再生痛は弱まっています。一方で、舌の側面は常に歯が当たる場所のため、話していても食べていても感じるので、「2」の時よりも不快xxx

 位置感覚は鈍いので舌の側面ではなく「裏面」だと自分では思っていましたが、綿棒で触ってみて「側面」だと認識。

 まだまだ変化中で一巡した後どうなるのか…。そのうち消失することを願っています。

術後6か月検査

 神経再建手術を受けてから半年。先日、久しぶりに和歌山県立医科大付属病院に行き、術後6か月の検査を受けてきました。

◆検査結果

・2点識別は、前方12mm 後方15mm (術前は20mm以上)

・ブラシの動きを感じるテストでは、縦方向、横方向、円を描く

 すべて知覚あり(但し、ビリビリとした痛み感覚を伴う)

・味覚(苦味・塩味・酸味)すべて感知できず、甘味だけは

 「何かを伝えようとしているわずかな感覚」あり

・冷感は前方、後方ともあり(術前は後方は全く無し)

・熱感は感知できず

という結果でした。藤田教授のお話だと、順調に回復しているパターンと類似しているという事です。

◆主観的な記録

・舌の前方から順に感じる様になってきている

 (ただし再生痛を伴う)

・冷感は、氷だけではなく、やや冷たいものも「ひやっ」と感じる

・「温かい」感覚は自覚なし

 (但し「熱い」ものは過剰な刺激痛に置き換わって感じる)

という状態ですが、検査を受けて「甘味」に何か感じようとしている感覚は初めて実感したので驚きました。

味覚が戻る順序はいろいろだけれど、「甘味」から戻り始めるケースも多いとのお話でした。(→少し意外…身体に危険な感覚から先に戻り始めるのかな?と思っていたのですが。甘いものには毒がある?)

 次回(一年後検査)は、もっと疼痛や再生痛が緩やかになっていて、味覚が改善していることを期待!

 

 術後および術前の舌神経損傷の患者さん方お目にかかり、少しお話する機会がありました。(貴重な機会を頂いた患者さん&先生方に感謝です)一日でも早く回復される事を祈っています。

 同じ手術を受けた方々が、このホームページを時々見て頂いている様ですので、今後も何か変化があれば少しずつ載せようと思います。