◆出会いと経過(2013/5~2013/7)
初診・所見(2013/5末)
抜歯後1か月経ちました。この1か月、非日常的な出来事ばかりで、
半年くらい経ったような気がします。
やっと和歌山を訪れ、藤田教授に診て頂くことができました。
触診・知覚・味覚の一通りの検査を受けました。
◆検査結果
・2点識別は、20mm以上(通常は5mm程度)
・味覚(甘味・苦味・塩味・酸味)すべて感知できず
・冷感は舌前方のみ
・熱感は感知できず
◆主観的な記録(自由記述)
・肩こりやアルコール摂取で麻痺感が悪化
・週末や夜は舌が石のように重い
・歯を噛みしめると「舌前方をつままれたような感覚」を感じる
・舌を噛みやすい(口内炎は痛みを感じるエリアと感じないエリアがある)
◆診察を終えた教授のコメント
・検査データは、舌神経が切断されているケースにほぼ相当
・現時点では手術適応の症例
・典型的なデータにほぼ一致するが、歯茎奥を押しても電撃痛が無いので今までには無いケースかも。(チネル兆候が無い)
・原因が麻酔針による可能性はほぼ無い。(その場合は今頃回復している)
・原因は、切開時または骨を削る等の処置による可能性はあり。
・海外では3か月間で回復傾向がみられなければ手術治療に切り替え
・知覚神経の方が味覚よりも太いため、知覚は手術をすればある程度回復する。ただ最近では味覚が回復する例も見られる。
・術後の神経回復には年単位の時間がかかる。
・1歳でも若い方が回復は早い
(→1か月間変化が見られず2か月目に急に回復しはじめるケースは
ありますか?という質問に対し、「ほぼ無い」とのこと)
2回目の診察(2013/6)
1か月、時々やってしまう口内炎と、日々の疼痛と人知れずひっそりと闘いながら、なるべく通常の生活を保っていました。
午後、疼痛が辛い時は、舌をべーっと出すと少し楽なので、よくトイレに行った時などべーっとして休憩していました。(さすがに人前では出来ない)
2回目の検診で、再び和歌山へ。前回と同じ検査を一通り受けました。
◆検査結果
・2点識別・味覚・冷感・温感はほぼ前回の結果から変化なし
・知覚のみ、2mm程度改善
◆診察後の教授のコメント
・放置したままで、自然回復の可能性は低い
・手術の適応症例
(→自分でもそうだろうな…と確信していたので驚きはなく、むしろ方針が決まって、ホッとしていました)
手術を受けることに同意し、
翌月に手術前検査、2013/8月に入院・手術日を予約して帰宅。
手術前検査と直前の診察(2013/7)
前回診察から1か月の間に、いくつか変化がありました。
まず、疼痛は日に日に強くなり、午前中から舌が重く、ヒリヒリ感も強く、「今日も辛いなぁ…」と思う回数が多くなっていました。
また、
・切開線付近や歯茎の奥を圧迫した時
・電動歯ブラシで奥歯を磨いた時
・化粧ブラシでそっと右側の頬を撫ぜた時
に、電撃痛が右舌の横を奥方向から前方にビリビリッと走るようになりました。
(→なるほど…これが教授が言われた「電撃痛」かと納得)
◆手術前検査
・尿検査
・血液検査(HIV検査も含む)
・血圧
・肺活量
・胸部レントゲン
◆麻酔科での説明
・既往症や薬・麻酔アレルギーの有無の確認
・全身麻酔での手術になること
・通常、8時間くらいの手術であること
・気管に管を入れること
・一通りの危険性の説明
を受けて、同意書にサイン(家族同伴)
(→8時間!にはびっくりしました。顕微鏡を使った大変手間がかかる手術なのだと、改めて認識。8時間も上向き姿勢でいたら、腰痛にならないかちょっと心配。せめて腹筋鍛えておこうと思う…)
◆歯科口腔外科での直前診察
・2点識別→全く変化・改善なし
そういえば…ちゃんと質問していなかったので、「口の中以外に切る場所はありますか?」と今更質問。
・口の中を切開
・逆(私の場合は左)側の首のシワに沿って4センチ程度切開
(外頚静脈を切り取り、縫合した神経の上から巻きつける)
→傷はほとんど残らない(日焼けすると白い線が見える程度)
→希望によってやらない場合も有り
(→!?と驚きましたが、女医先生が「ほとんど傷跡わかりませんよ」と言ってくれたので、ひと安心。一応、女性なので…)
(→この後、更に疼痛はひどくなる一方だったので、手術直前はもう「顔以外はどこでも切ってもらってOK!」ぐらいの気持ちでした(笑)顔はね、やっぱりね…)
(→更に手術経験が無い私の興味は広がり、全身麻酔ってどうなるの?!と調べ倒したのは言うまでもありません。ちょっとおバカ。)
(→更にひどくなってきた疼痛についても、いろいろ調べたり、知人の紹介で専門研究をされている方に尋ねたりしました。疼痛研究は歴史は古いけれでも、まだまだ分かっていないことも多い分野だそうです。)
(番外)費用について
あくまで私のケースですが、「医療事故」という扱いのため、和歌山県立医科大学付属病院での診察・検査・治療は「自費扱い」になり、健康保険は適用されません。
病院の医事課担当の方が、いろいろと丁寧に教えてくれました。詳細は省略しますが、以下の流れで費用については決着しました。
・治療費全額(手術・入院費)、入院に必要な諸経費(診断書・個室差額・その他)について、H院長のサイン入りの支払い同意書を、医事課に提出
・これまでの通院で支払い済みの治療費は払い戻し
・治療・入院・手術費を一括まとめて和歌山県立医科大附属からH医院へ請求
(実際は、病院が加入している保険会社が間に入る様です)
(→あくまで私のケースです。手術される病院の方針や、歯科医との交渉状況で異なってくるかと思います)