術後1年6か月(2015/02)

近況・・・(麻痺の状態・疼痛)

 何人かの方々から「その後どうですか?」というメールを頂きます。同じ立場(抜歯や口腔領域の手術による舌神経麻痺・下歯槽神経麻痺・オトガイ神経麻痺)の患者さんの参考になれば…という事で、近況について載せておきます。

 

◆知覚麻痺の状態

 実は知覚については前回更新した「術後1年」の頃と大きくは変わっていない感覚です。2点間距離はあまり変化していないのでは?と思っています。相変わらずぶ厚い肉の皮で舌の右半分(上→横→裏まで)がすっぽり覆われた感じです。あえて形容するなら

 ・生肉が舌にへばりついている感じ

 ・ゼラチンを固めた様な1センチ以上の厚さのシートが舌を覆っている感じ

です。

 ただ、完全麻痺していた頃(再建手術前)は、舌の温度が熱いのか冷たいのかとにかくヒリヒリしていましたが、今は温度感が左右で同じなので、一応右側も「自分自身の舌」だという実感があります。

 

◆味覚麻痺の状態

 う~ん。半年前よりはわずかに良化していそうな、気のせいか?と自己判定はむずかしいです。もやっとした味のものは、感じ取ることは出来ません。健全な左がわだけで、意識して感じ取るようにしています。

 

◆疼痛の状態

 麻痺の回復度と比較して、こちらは日々緩やかに回復を感じています。

・不用意に頬を触れたりしても、痛みは感じなくなりました。

・歯磨きの際は、内側の歯茎を磨くときだけ、少しだけぴりぴりっとします。

・舌を動かさない間は、自発痛はほぼ無くなりました。

・舌を動かす時、歯にあたる時は、ジャリジャリ感は常にありますが、「痛みのエッジ」がまろやかになってきました。

・噛みしめ時間も少しずつ短くなっています。

・アルコールや刺激物(辛み)を摂ると舌の麻痺感が増大。カチーンと固くなり異物感が増します。そんな時はやはり舌を「べーっ」とすると比較的楽です。

 

◆QOLについて

 健常な頃と比較すると不満点は多々ありますが、手術前と比較すると日常生活に色合いが戻りました。手術前は無彩色の濃いグレーでしたが、今はいろいろな色を感じることができる精神状態です。

・熟睡することができます。(舌を噛む回数が激減)

・食事をそれなりに楽しむことができます。

・仕事に集中することができます。(残業や新しいことにチャレンジする気力)

・他人に対して寛容な態度を取ることができます。(以前は自分の事で精一杯)


以上、近況でした。

#…言葉で表現するって難しいですね。

記録をつけること

 自分が書いたものを振り返って読むと、「いかに忘れてしまっているか」とてもよく判ります。

同じ様な経験をされた方で

・手術以外の療法で経過観察をしている人

・手術を受けようと思っている人・迷っている人

・手術を受けた人

・示談交渉・訴訟を検討している人

には、やはり「記録を残しておくこと」をおすすめします。

時には重要なデータになりますし、時には「まったく回復していないと感じていたけれど、実はわずかに状態は良くなっているな」という気づきになる場合もあるかと思います。