心のケア
舌神経麻痺になってしまったら、
・情報量が少ない
・舌神経麻痺の治療を積極的に行っている病院が少ない
・他人には理解してもらえない痛みや苦しみを伴う
・日常生活への影響が大きい
などの原因から、鬱々とした状態になりがちです。
ここからは私からのメッセージです。
●患者さんへ:
歯科医療が原因の舌神経麻痺は、決して患者さんの責任ではありません。あなたは被害者で何も悪くありません。
●家族の方へ:
「親知らずの抜歯なんかしなければよかった」…
「別の歯医者に行けばよかった」…
患者さん自身はずっと自問自答しています。
「大変な目にあったね」「辛い目にあったね」とまずは寄り添ってあげて下さい。
●歯科医の方へ:
歯科治療における「舌神経麻痺」は1000人に数人程度の発生率で、確率的にはゼロで無い偶発症、と数値だけで片付けないでください。患者にとっては100パーセントです。
そして、残念ながら完治しないケースの場合は、毎秒・毎分・意識がある場合は一日中、そんな毎日を一生抱えてゆくことになります。
その1件の事故を発生させてしまった原因は、確率だけではないはず。
一方で、舌神経を切断せずに修復手術をできる医師が居ます。
一方で、何故、抜歯で神経切断事故が発生するのか?
それはやはり、知識と手技が足りないという事だと、私は思います。
また、不幸にも事故を発生させてしまった場合、
・隠さない
・逃げない
・患者と向き合い、最善の治療について後々までサポートする
という事ができるかどうか、医師としてよりも人間性が問われる
場面だと思います。